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にしんそばのストーリー。

2023.10.18|そうめんエンタメ

にしんそば。温かいおそばに甘辛くふっくら炊き上げたにしんの甘露煮。お出汁とにしんがベストマッチ。      関西では非常に馴染みのあるそば料理の一つですね!

京都が発祥とされるこの料理、その歴史は古く、誕生したのは1882年(明治15年)。                にしんそばを発案したのは京都「松葉」二代目の松野与三吉。この松葉は、1861年(文久元年)に芝居茶屋として創業したお店。なんと160年以上前ということになります。

関西ではうどん文化が主流のなか、寺院が多い京都では行事食として発達し、例外的にそばを食べる文化が根付いていたそうです。

物流がまだ発達していない時代、四方を山に囲まれた京都中心部では海産物が手に入りにくく、遠く北海道から北前船などの海路で来た「にしん(身欠き鰊)」や「たら(棒鱈)」などの干魚類を主に食していました。

身欠きにしんは京の人々にとっては大切なタンパク源であり保存食。 松野与三吉はこのにしんとそばを合わせることで、栄養のバランスのとれた「にしんそば」を完成させました。

「身欠きにしん」にしても「棒鱈」にしても、保存のためにカチカチに乾燥されており、食べるためには米のとぎ汁に浸したり、灰汁を抜いたり、手間暇かけなくてはいけません。何故これほど手間をかけてまで、、、。と思ってしまいますが、海がない京都中心部で動物性たんぱく質を補給するためには欠かせないものでした。食材が乏しい中でも美味しく食べる工夫が凝らされたことで、現在の京料理に発展していったんですね。

実は、京都に運ぶにしんを水揚げしていた北海道江差町でも、にしんそばは食べられているんです。         京都とは違い、濃い口しょうゆの濃い目のお出汁に「根深ねぎ」という白ねぎ、刻みのりをのせるのが特徴。       こちらも食べてみたいですね。

江差町では、200年の歴史があり、にしん漁で栄えた豪商である横山家の「鰊(にしん)御殿」が観光名所となっているそうですよ!

最後に、にしんそばの美味しい食べ方をご紹介します。

写真にもある通り、温かいお蕎麦ににしんの甘露煮をのせたものが一般的ですよね。                実はにしんそば発祥の「松葉」さんでは、先に器ににしん甘露煮をいれ、その上から温かいお蕎麦を盛り付けるのが正式だそうです。そうすることでにしんとそばと出汁が一体となり、美味しくお召し上がりいただけるとのこと。     ぜひ今年はこの食べ方を試してみてください!

勇製麺でも今シーズンのにしん甘露煮が入荷いたしました。

なんだかにしんそばが食べたくなってきた方、勇製麺へぜひ!御歳暮の贈り物に、年越しそばの準備に、、、は、ちょっと気が早いように思いますが、気づけば今年もあと2か月ほど。夏が終わったばかりな気がするのにびっくりですよね! 今年もあっ!という間に年末です~。